やくたたずの恋
――悪いけど俺、Cカップ以上じゃないと女だって認めてないからさー――
 悪かったですね! どうせBカップですよ!
 怒りを募らせ、「C」から歌を再開する。だが、その「B」と「C」の間に、とてつもない高い壁がある。……いや、壁というよりも、深い溝があるのかも。
 それはさっき見た、悦子の胸の谷間のような溝だ。落ちてしまえば最後、底も見えず、どこまでも落下し続ける。永久凍土の広がるアラスカにでも存在してそうな溝が、「B」と「C」との間にはある。
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