やくたたずの恋
「えーっと……これは、『くるみ割り人形』ですか?」
「そう。この中の『花のワルツ』は、志帆と私の思い出の曲なんだ。志帆と初めて会った時……あれは、私の母校の、OB会でのことだったなぁ」
星野はレコードのジャケットをそっと撫でた。散らばってしまった過去のパズル。そのピースを探し、掻き集めるように。
「OB会には、当時現役の大学生だった志帆と恭平くんも参加していたんだ。OB会の最後には、なぜかいつもダンスをすることになっていてね、志帆と恭平くんがこの曲で踊っていたんだ」
「ええええ! 恭平さんがダンスを踊ったんですか!? しかもワルツを?」
「ああ。恭平くんはなかなかダンスが上手くてね、しかもかなりのハンサムだったから、女の子たちが競って恭平くんと踊りたがっていたよ」
あのおっさんが、ダンス? ……信じられない。
盆踊り程度ならまだ信じられるが、あのどスケベがどんな顔をしてワルツを踊っていたのだろうか。パートナーの女性の胸元を覗き込んで、喜びのステップを踏んでいたに違いない。きっとそうだ。
「そう。この中の『花のワルツ』は、志帆と私の思い出の曲なんだ。志帆と初めて会った時……あれは、私の母校の、OB会でのことだったなぁ」
星野はレコードのジャケットをそっと撫でた。散らばってしまった過去のパズル。そのピースを探し、掻き集めるように。
「OB会には、当時現役の大学生だった志帆と恭平くんも参加していたんだ。OB会の最後には、なぜかいつもダンスをすることになっていてね、志帆と恭平くんがこの曲で踊っていたんだ」
「ええええ! 恭平さんがダンスを踊ったんですか!? しかもワルツを?」
「ああ。恭平くんはなかなかダンスが上手くてね、しかもかなりのハンサムだったから、女の子たちが競って恭平くんと踊りたがっていたよ」
あのおっさんが、ダンス? ……信じられない。
盆踊り程度ならまだ信じられるが、あのどスケベがどんな顔をしてワルツを踊っていたのだろうか。パートナーの女性の胸元を覗き込んで、喜びのステップを踏んでいたに違いない。きっとそうだ。