やくたたずの恋
「……雛子ちゃん、どうしたの?」
敦也がフォークを持ちながら、雛子の顔を覗き込む。目の前にやって来たミント王子の顔に驚き、雛子はぶるぶると首を振った。
「な、何でもないです!」
「そうか。突然落ち込んだみたいに見えたから、びっくりしたよ」
はい、正直言って……落ち込んでました。
心でそう答えつつ、雛子はテーブルに置かれたバベッティーニにフォークを伸ばす。帆立とクリームの濃厚な風味。それが、一巻きだけ口に入れたパスタから伝わってくる。続けてやって来た、もちもちとしたパスタの食感を味わっているうちに、雛子はふと、あることに気がついてしまった。
……ちょっと待って。何で私、落ち込んでるの?
おっさんが王子様になることが……何で落ち込むことなの?
敦也がフォークを持ちながら、雛子の顔を覗き込む。目の前にやって来たミント王子の顔に驚き、雛子はぶるぶると首を振った。
「な、何でもないです!」
「そうか。突然落ち込んだみたいに見えたから、びっくりしたよ」
はい、正直言って……落ち込んでました。
心でそう答えつつ、雛子はテーブルに置かれたバベッティーニにフォークを伸ばす。帆立とクリームの濃厚な風味。それが、一巻きだけ口に入れたパスタから伝わってくる。続けてやって来た、もちもちとしたパスタの食感を味わっているうちに、雛子はふと、あることに気がついてしまった。
……ちょっと待って。何で私、落ち込んでるの?
おっさんが王子様になることが……何で落ち込むことなの?