やくたたずの恋
「雛子ちゃんはいつも可愛いなぁ。見る度に、お母さんの美津子さんに似てくるよ。きっと雛子ちゃんも、美津子さんのように美人になるぞ!」
「可愛らしさだけはあるのですが、この子は役立たずでして」
 父がいつものように、「役立たず」という言葉を口にした。さっきの恭平の言葉で傷ついた、Bカップの胸の傷口が、ぱっくりと開き始める。
「何せ女なものですから、跡継ぎにもなりませんし」
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