やくたたずの恋
「……志帆さんだって、貧乳なのに」
その一言で、恭平の表情が一瞬にして変わった。さっきまで赤かった顔は、スイッチングされたように青くなる。それは怒りの炎の色だ。
「グダグダ言ってないで、さっさと仕事に行け! 今日も午前中は星野さんのところだろーが!」
「はーい! 行ってきまーす!」
雛子は赤いマグカップをデスクに置き、駆け足で部屋を出ていく。バタついた足音が遠ざかるのを聞きながら、恭平は安堵の息を吐き出した。
心臓がまだ跳ね上がっている。顔の上気も治まらない。とにかく体じゅうがおかしい。
その原因は分かっている。雛子に「好き」と言われたからだ。ただそれだけのことなのに。
その一言で、恭平の表情が一瞬にして変わった。さっきまで赤かった顔は、スイッチングされたように青くなる。それは怒りの炎の色だ。
「グダグダ言ってないで、さっさと仕事に行け! 今日も午前中は星野さんのところだろーが!」
「はーい! 行ってきまーす!」
雛子は赤いマグカップをデスクに置き、駆け足で部屋を出ていく。バタついた足音が遠ざかるのを聞きながら、恭平は安堵の息を吐き出した。
心臓がまだ跳ね上がっている。顔の上気も治まらない。とにかく体じゅうがおかしい。
その原因は分かっている。雛子に「好き」と言われたからだ。ただそれだけのことなのに。