やくたたずの恋
「影山ちゃん、押され気味ね」
ソファでノートパソコンを操作する悦子が、画面から目を離さずに苦笑する。恭平は返事をすることなく、デスクへと戻ろうと、震える足を一歩ずつ動かした。
「でもよかったわ。影山ちゃんが元気になってるみたいだから」
「俺はいつだって元気だぜ?」
熱を帯びた喉から、恭平は掠れた声を上げた。悦子が顔を上げれば、ふらつきながらデスクの椅子に腰を下ろす恭平の姿が見える。心因性の満身創痍だ。
「あなたのどこが元気なのよ。私と知り合った時から、今までずっと、あなたは死んでるようなものだったでしょ? それがやっと、あのお嬢ちゃんに会ってから、棺桶から出ることができたんじゃないの?」
ソファでノートパソコンを操作する悦子が、画面から目を離さずに苦笑する。恭平は返事をすることなく、デスクへと戻ろうと、震える足を一歩ずつ動かした。
「でもよかったわ。影山ちゃんが元気になってるみたいだから」
「俺はいつだって元気だぜ?」
熱を帯びた喉から、恭平は掠れた声を上げた。悦子が顔を上げれば、ふらつきながらデスクの椅子に腰を下ろす恭平の姿が見える。心因性の満身創痍だ。
「あなたのどこが元気なのよ。私と知り合った時から、今までずっと、あなたは死んでるようなものだったでしょ? それがやっと、あのお嬢ちゃんに会ってから、棺桶から出ることができたんじゃないの?」