やくたたずの恋
「あーあ! あたしが出会った頃の影山ちゃんは、こんなんじゃなかったわよねー!」
悦子は恭平を睨みつけながら、大きなため息をついた。
「あたしの行きつけのバーでバーテンしてた時なんて、もっとガツガツしててワイルドでさー、志帆さんを取り戻そうと必死だったじゃない? いつからこんな、隠居老人みたいなおっさんになっちゃったのかしらー!」
悦子と出会った頃の恭平は、家を飛び出したばかりで、毎日志帆を取り戻すことばかりを考えていた。彼女を奪われた絶望が、次第にぬるいものへと変わっていく。それを感じたのはいつからだっただろうか? そして、それに体が馴染んでしまったのは、いつだったのか。
「……そうだな。人間って変わるよな……」
恭平はぽつりと呟き、煙草を灰皿に押し当てる。視線を横にスライドさせ、悦子の巨乳へと目を遣った。
「あの頃、お前だってまだ男だったもんな。バリバリのビジネスマンで、イタリアンスーツでキメ込んでたくせに、それがいつの間にか、巨乳美人になっちまったしな。……なぁ、悦夫さん?」
「きゃあああああ! ちょ、ちょっと、あたしの本名言わないでよ! それに、あたしのことはどうだっていいのよ! 問題はあんたのことよ、影山ちゃん! 何であんたが、こんなにも変わっちゃったのか、ってこと!」
「……変わらないものもあるさ」
悦子は恭平を睨みつけながら、大きなため息をついた。
「あたしの行きつけのバーでバーテンしてた時なんて、もっとガツガツしててワイルドでさー、志帆さんを取り戻そうと必死だったじゃない? いつからこんな、隠居老人みたいなおっさんになっちゃったのかしらー!」
悦子と出会った頃の恭平は、家を飛び出したばかりで、毎日志帆を取り戻すことばかりを考えていた。彼女を奪われた絶望が、次第にぬるいものへと変わっていく。それを感じたのはいつからだっただろうか? そして、それに体が馴染んでしまったのは、いつだったのか。
「……そうだな。人間って変わるよな……」
恭平はぽつりと呟き、煙草を灰皿に押し当てる。視線を横にスライドさせ、悦子の巨乳へと目を遣った。
「あの頃、お前だってまだ男だったもんな。バリバリのビジネスマンで、イタリアンスーツでキメ込んでたくせに、それがいつの間にか、巨乳美人になっちまったしな。……なぁ、悦夫さん?」
「きゃあああああ! ちょ、ちょっと、あたしの本名言わないでよ! それに、あたしのことはどうだっていいのよ! 問題はあんたのことよ、影山ちゃん! 何であんたが、こんなにも変わっちゃったのか、ってこと!」
「……変わらないものもあるさ」