やくたたずの恋
「では、さっそく働かせてください。どういった会社に、派遣させられるんですか? それで、事務でもするんですか? それとも、接客とか?」
 せっかく振り絞ったフレッシュな勇気。その鮮度が落ちないうちに、雛子はさっさと働きたかった。
「そうだなぁ……。まぁ、どっちかって言うと、接客だな」
 細く長く、恭平は煙草の煙を吐き出す。それを避けながら、「どんな接客なんです?」と雛子は続けて問い掛ける。
< 71 / 464 >

この作品をシェア

pagetop