やくたたずの恋

　色とりどりの服に身を包んだ彼女たちは、ファッションショーのように、ひらひらと事務室のランウェイを歩いてやって来る。そのうちの一人が、へたり込む雛子へと目を向けた。
「あれ？　この人……昨日の新聞屋さんだよね？　新聞屋さんが、何でここにいるの？」
「新聞があまりに売れないんで、新聞屋をクビになったって言うから、うちで雇うことにしたんだよ」
　恭平は乱れた髪を直しつつ、部屋の奥のデスクに向かった。その途中にも、女たちの胸やヒップを撫で回す。女たちはそれに反応して、キャッキャと嬉しそうな悲鳴を上げている。