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別れ
「別れよ…。」

え?
彼氏から告げられた突然のバイバイ。
私は驚いて目を見張った。

「なんで…?」
かすれ声で聞き返す。
なんで?
私何か悪いとこあった?

「お互い…今年受験だし。勉強に本腰いれたい。だから…。」
祐一はそこで言葉を切った。

嘘つき。
好きな子できたんでしょ?
はっきり言ってよ。


祐一と私…谷川澪(たにかわ みお)は、同じ高校と同級生。
今年、三年生になった。
一年の時に祐一から告白されて、付き合い始めた。
喧嘩もしたけど、これからも二人でやっていけると思ってた。
でも、友達から聞いたんだ。
二年の子に告白されて、OKしたって。
嘘だと思ってたのに…。
今日、急に喫茶店に呼び出された。
祐一から誘ってくれるなんて久々だから、おしゃれしてきたのに。

「そういうことだから…。」
歯切れの悪そうに、祐一はお金を置いて席を立った。
そのまま視線を私と合わせないようにしながら店から出て行く。

私は一人で残された。
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