ラヴィ~四神神葬~
Ⅲ章 記憶のプリズム
1節
「あ~♡この扉の向こうで卓也先輩が待っててくれるのね♡卓也先輩に会ったら、何て声かけよう?」
間違いその1:患者である卓也がエレベーターを降りた所で待っていることはない。
間違いその2:更に付け加えるならば、紫乃が見舞いに来ることを知らない卓也が、彼女を待っていることはまずない。
間違いその3:第一声は普通の挨拶で十分だ。
・・・以上の点を冷静に分析する総司だが、彼女の♡の力〈ラブパワー〉の前では何の役にも立たないことは必至だろう。
問題の彼女はここが病院であるということさえも忘れていてそうで、こわい。
「あ、危な・・・っ」
そんなふうだから、エレベーターの扉が開いた瞬間に待ちきれずに飛び降りた紫乃は、エレベーター待ちをしていた少年にぶつかりそうになる。
「どいてッ!」「えっ」
驚きながらも少年が身をかわしてよける。すると今度は転倒の危機だ!
「ダメッ、どかないで!」
「おいっ」
慌てて後ろから総司が手を伸ばす。―しかし・・・
「大丈夫?」
銀鈴がチリンと澄んだ音色を奏でた。
間違いその1:患者である卓也がエレベーターを降りた所で待っていることはない。
間違いその2:更に付け加えるならば、紫乃が見舞いに来ることを知らない卓也が、彼女を待っていることはまずない。
間違いその3:第一声は普通の挨拶で十分だ。
・・・以上の点を冷静に分析する総司だが、彼女の♡の力〈ラブパワー〉の前では何の役にも立たないことは必至だろう。
問題の彼女はここが病院であるということさえも忘れていてそうで、こわい。
「あ、危な・・・っ」
そんなふうだから、エレベーターの扉が開いた瞬間に待ちきれずに飛び降りた紫乃は、エレベーター待ちをしていた少年にぶつかりそうになる。
「どいてッ!」「えっ」
驚きながらも少年が身をかわしてよける。すると今度は転倒の危機だ!
「ダメッ、どかないで!」
「おいっ」
慌てて後ろから総司が手を伸ばす。―しかし・・・
「大丈夫?」
銀鈴がチリンと澄んだ音色を奏でた。