ラヴィ~四神神葬~
「武居くん、めっけ」
「・・・平塚(ひらつか)紫乃(しの)!」
天衣無縫の彼女の微笑みに、武居(たけい)総司(そうし)は一歩引いてしまった。
模試もクラブ活動もない一年生が校内にいたことは驚愕だが、それ以上に不審な物は・・・
「このりんごは一体・・・?」
「そんなに急いで、どこ行くつもりだったんですかぁ?」
「まさかこのりんご、俺にってわけじゃ・・・?」
「まっさか私を置いてく気じゃないですよね?」
「一人で食べきれる量じゃないと思うんだが・・・」
「一人だとやっぱり行きにくくってぇ・・・」
「だから、このりんご・・・」
全っ然、話がかみ合ってない。
目下の問題は巨大タッパーいっぱいのりんごなのだ。
・・・て、ちょっと待て。
「平塚」
「はい?」
「お前、今から俺が行く所、知ってるのか?」
「卓也先輩(♡)のお見舞いでしょ」
「~~~。なんで知ってんだよ・・・」
今泉(いまいずみ)卓也(たくや)の入院は、親友の総司しか知らない極秘事項だ。クラスメイトでさえ誰一人として知らない。
なのに、なぜ。
恋する乙女情報網、恐るべし!
「武居くんと違って、卓也先輩が模試を忘れるわけないじゃないですかー」
(いくら何でも模試は俺だって忘れたりはしないぞ)
と言えば、話がややこしくなるので敢えて口には出さず。
本題に戻る。
「もしかして、このりんごは・・・」
「お見舞いっていえば、りんごでしょ」
そうなのか?
「というわけで昨日たくさんりんごを切ったので、武居くんにもあげます」
はぁ・・・
(つまり一人で食べ切れないから俺も手伝え、と)
りんごの皮むきの練習による産物がコレである。
総司は何となく重い頭を抱えた。
・・・食べ物を粗末に扱ってはいけない。
一人静かにため息をつき、自分のためにむかれたわけでは決してないウサギさんりんごの入ったタッパーを受け取った。
が、ふと総司の手が止まる。一つだけ、気になっていることがあるからだ。
「・・・平塚(ひらつか)紫乃(しの)!」
天衣無縫の彼女の微笑みに、武居(たけい)総司(そうし)は一歩引いてしまった。
模試もクラブ活動もない一年生が校内にいたことは驚愕だが、それ以上に不審な物は・・・
「このりんごは一体・・・?」
「そんなに急いで、どこ行くつもりだったんですかぁ?」
「まさかこのりんご、俺にってわけじゃ・・・?」
「まっさか私を置いてく気じゃないですよね?」
「一人で食べきれる量じゃないと思うんだが・・・」
「一人だとやっぱり行きにくくってぇ・・・」
「だから、このりんご・・・」
全っ然、話がかみ合ってない。
目下の問題は巨大タッパーいっぱいのりんごなのだ。
・・・て、ちょっと待て。
「平塚」
「はい?」
「お前、今から俺が行く所、知ってるのか?」
「卓也先輩(♡)のお見舞いでしょ」
「~~~。なんで知ってんだよ・・・」
今泉(いまいずみ)卓也(たくや)の入院は、親友の総司しか知らない極秘事項だ。クラスメイトでさえ誰一人として知らない。
なのに、なぜ。
恋する乙女情報網、恐るべし!
「武居くんと違って、卓也先輩が模試を忘れるわけないじゃないですかー」
(いくら何でも模試は俺だって忘れたりはしないぞ)
と言えば、話がややこしくなるので敢えて口には出さず。
本題に戻る。
「もしかして、このりんごは・・・」
「お見舞いっていえば、りんごでしょ」
そうなのか?
「というわけで昨日たくさんりんごを切ったので、武居くんにもあげます」
はぁ・・・
(つまり一人で食べ切れないから俺も手伝え、と)
りんごの皮むきの練習による産物がコレである。
総司は何となく重い頭を抱えた。
・・・食べ物を粗末に扱ってはいけない。
一人静かにため息をつき、自分のためにむかれたわけでは決してないウサギさんりんごの入ったタッパーを受け取った。
が、ふと総司の手が止まる。一つだけ、気になっていることがあるからだ。