ラヴィ~四神神葬~
気流が更に激しさを増そうとした瞬間だ。
かざした右手の指先がザックリ切れた。
虹のプリズムが凍りつき、ひび割れ、粉々に砕けた。
攻撃は明らかに、真の万華石を狙っていた。
「これは気流を生み出すために作った万華石のかけらだよ。こんなものを壊してもオレを倒せないことは分かってるだろう・・・」
キッと双眼が正面を見据える。
己の邪魔をした、その者は竜巻の向こうにいる。
「気に入らないね」
一本の気流が地をはい、大樹を薙ぎ倒す。
標的は気流の向こう側の、彼。
気流が一直線に伸びる。
光が風を裂いた。
否、
光でない。
太陽光が反射する。
きらめきの正体は、氷の破片だ。
冷気が気流を凍結させる。砕け散る木片が、木の葉が氷結して形を失う。傾いだ気流の渦が崩壊する。
(この《力》)
爪の先からぽたりと地面に落ちた血の上に、ひとひらの雪が漂着する。
(やはり来たか)
口許、見透かしていたかのような不敵な笑みを真は浮かべた。
「・・・万華石のかけらを砕いたところで、既に生み出した気流は消えない。どうせ狙うなら・・・」
自らの左胸を、金髪の少年が指差す。
「万華石本体(ここ)を狙えよ。武居総司!」
かざした右手の指先がザックリ切れた。
虹のプリズムが凍りつき、ひび割れ、粉々に砕けた。
攻撃は明らかに、真の万華石を狙っていた。
「これは気流を生み出すために作った万華石のかけらだよ。こんなものを壊してもオレを倒せないことは分かってるだろう・・・」
キッと双眼が正面を見据える。
己の邪魔をした、その者は竜巻の向こうにいる。
「気に入らないね」
一本の気流が地をはい、大樹を薙ぎ倒す。
標的は気流の向こう側の、彼。
気流が一直線に伸びる。
光が風を裂いた。
否、
光でない。
太陽光が反射する。
きらめきの正体は、氷の破片だ。
冷気が気流を凍結させる。砕け散る木片が、木の葉が氷結して形を失う。傾いだ気流の渦が崩壊する。
(この《力》)
爪の先からぽたりと地面に落ちた血の上に、ひとひらの雪が漂着する。
(やはり来たか)
口許、見透かしていたかのような不敵な笑みを真は浮かべた。
「・・・万華石のかけらを砕いたところで、既に生み出した気流は消えない。どうせ狙うなら・・・」
自らの左胸を、金髪の少年が指差す。
「万華石本体(ここ)を狙えよ。武居総司!」