ラヴィ~四神神葬~

4節

 ―が。

 真の唇が上がった。

「気流装甲」
 二本の気流を両腕にまとう。
 気流が雪を遮断。
 吹雪を完全防御する。
「+(プラス)気流弾」
 更に一本。
 気流をつかむ。
 真が両手を突き出した。
 両腕に渦巻く気流の圧力を利用して、気流を圧縮。気流の弾丸を発射する。

 気流弾が吹雪を跳ね返す。

(それでいい)
 総司の術中だ。
 真が気流弾を放てば、卓也を取り囲んでいる竜巻の柱が減る。

 これは、卓也を救うための戦いだ。

 雪の盾が風の弾丸を受け流す。標的を逸した弾丸が遥か上空に昇った。

「これでオレの操る気流は、あと五本・・・。確かに計算は合っているけれど」
 真が口許に孤を描く。
「その計算に気流の行方は入っていたか?」
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