ラヴィ~四神神葬~

5節

 爆流が大地を飲み込んだ。
 土と砂が噴き上がる。気流が変化した《噴竜》は、卓也の頭上にまともに落ちた。噴竜に喰われた彼は生きてはいまい。

(なのに、どうして・・・)

 震えが止まらない?

 真は立つことができない。
 見えない緊張(ちから)の糸に縛られているかのようだ。
 乱れた吐息が震えている。本能が《彼》を畏れている。
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