ワガママ狼男と同居始めました。
<夜>
夜は狼の姿。
やっぱりソファーの上で前足の上にあごを置く。
「……ねぇ、狼男の他にもあやかしはいるの?」
「そりゃいるよ。種族ごとにまとまって暮らすから、出会うとしたら一度にいっぱい会えるぞ。」
「それはなんか怖いな……。」
河童がいっぱいいる池を思い浮かべてゾッとした。
「……狼人間みたいに単体で暮らすあやかしは珍しいんだ。
俺は丙たちと暮らしていたけど。」
そう言うと、猫のように大きく伸びをした。
「もう寝る。」
「……そう……。おやすみ。」
そうして私と志木の一日が終わる。