ワガママ狼男と同居始めました。





「志木ー、丙さんから手紙だよー。」


「おお!」


ソファーから飛び上がって手紙をひったくる。


「そういえば、この間の丙さんからの手紙に、志木からの手紙の差し出し住所見て送った、って書いてあったけど、いつの間に手紙なんて出してたの?」


「紅葉ん家に来てすぐだよ。
一応知らせておこうと思って。」


「ふーん……。
でも丙さんって人里で暮らしていないんでしょう?どうやって手紙送ったの?」


「丙の住んでる洞窟から一番近い人家に送って、毎日朝にポスト見に行ってる。」


「それって犯罪の香りが…………」


「まぁ、気にすんな。」


「その手紙の内容は?」


「今度文化祭あるだろ?うっさい女子にもう一緒に回る人いるって言っちゃったから、近況報告を兼ねて丙を誘ったんだ。」


「へぇ…………」


志木が手紙を私の方に傾けた。

見ていいのか……。


志木と一緒に手紙の文字を追った。







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