ワガママ狼男と同居始めました。




おの……で、ら……?
ワンちゃん……?


よくよく見ると、本当にその男は小野寺くんだった。


「……何で……え……?」


「本当は朝のうちにこっそり出ていくつもりだったんだけどな……。こんなことになるなら服着て寝ればよかった。」



「…………犬人間……?」



私の半分冗談の質問に小野寺くんは、にやっと口許を吊り上げて笑った。



「狼人間。」



そう言うと、大きく口を開いて、鋭い犬歯を見せた。

八重歯だと思ってた……。

狼……人間……。

小野寺くんが……?


呆然とする私に、小野寺くんはさらに話す。


「1つお願いがあるんだけど……。」


「え……?」





「藤間さん、俺ここに住ませて?」




「なっ……」





「ダメに決まってんでしょ!!!」





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