ワガママ狼男と同居始めました。
狼男と文化祭
志木side
文化祭、というものがこんなにも騒がしいものだとは思わなかった。
全員がハイテンションで、全員が笑っている。
「志木……」
校門に向かうと、丙が不安そうに辺りを見回している。
「ヒトが……こんなに集まって……」
「フツーだよ。行こう。」
丙と並ぶとやはり目立つ。
早速クラスの女子に話しかけられた。
「小野寺くん、その人彼女!?」
「いや……姉なんだ。」
「チョーきれいな人!こんにちは。おんなじクラスの野口です!」
「あ、ズルい!私は大崎って言います!」
「……あ……の、えっと……」
パニクってる丙が見れるのは貴重だ。
「じゃあ俺たち行くから。」
女子の黄色い声を受け流して、校舎に入った。