ワガママ狼男と同居始めました。




「……驚いた……。それにしてもお前、いつもあんな風に笑顔を作ってヒトと暮らしているのか?」


「……ああいう方が人から好かれやすいんだよ。」


「……でもあの娘はお前のことを嫌っている風でもなかったが……。」


あの娘、というのは紅葉のことだろう。


「あいつは変なやつだから。」


「……そうなのか……。でもあの娘は優しい、いい娘だ。」


「……そうだな。」



綿菓子を売っているクラスがあり、丙を誘った。

綿菓子を渡すと、目をまんまるくして、綿菓子を見つめた。


「……これが食べ物なのか……?蚕のようだ……。」


「俺も食べたことないけど。甘くてうまいって紅葉が言ってた。」



丙は綿菓子を食べると、さらに目をまんまるくした。


「……まずい……。」


店の人に聞かれ、慌てて教室を出た。


食べてみると、確かにうまくはなかった。







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