ワガママ狼男と同居始めました。





学校に着くと、真っ先に霧島くんに声をかけられた。


「……おはよ、藤間。」


「……おはよ……」


なんか話しづらいな……。


「……昨日言い忘れたけどさ!」

「……うん……。」

「これからも……友達で……。」


いつもとは違って、すっかり威勢がない。


「フフ…………」


「なっ……なんで笑う!?」


「……ごめん……。
霧島くんが、素直だから……。」


「素直なのは藤間だろ!?」


「友達。嬉しい。ありがとう。」


「うん……。」




やっぱり霧島くんは優しい。


霧島くんにそう言ってもらえて良かった。


本当は友達でいたいなんて思ってないんだろう。

私のことを想ってそう言ってくれたんだ。



ありがとう。
霧島くん……。







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