ワガママ狼男と同居始めました。




って言うか、長いし……。


もう10分は待ってる。

ゆっくり行ったって5分で帰ってこられる。

待たせた仕返しか……?



「あの~、すみません……。」


声のした方を見ると、他校の制服を着た男子二人だった。



「何ですか……?」


「この地図の場所、教えて欲しいんですけど……。」


地図?


二人の持っている紙を見ると、殴り書きで道やら学校やらの目印が書かれていた。



「ここに行きたいんですけど……。」


その人が指差したところを見た。


「ここならこの道をまっすぐ行って、空き地に突き当たったら右に曲がって……」


「あの……。」



「え……?」



「俺たちバカなんで、近くまで着いてきてくれませんか?」



「えっと…………」



それって、大丈夫なのか……?


この人たちちょっと不良っぽいんだけどな……。



「ダメ…………ッスかね……?」


どうせ志木に嫌がらせされてて暇だったし、良いかな。

ちょっとは反省しろ!



「じゃあ行きましょっか?」


私は地図を持って歩き出した。







< 182 / 243 >

この作品をシェア

pagetop