ワガママ狼男と同居始めました。
って言うか、長いし……。
もう10分は待ってる。
ゆっくり行ったって5分で帰ってこられる。
待たせた仕返しか……?
「あの~、すみません……。」
声のした方を見ると、他校の制服を着た男子二人だった。
「何ですか……?」
「この地図の場所、教えて欲しいんですけど……。」
地図?
二人の持っている紙を見ると、殴り書きで道やら学校やらの目印が書かれていた。
「ここに行きたいんですけど……。」
その人が指差したところを見た。
「ここならこの道をまっすぐ行って、空き地に突き当たったら右に曲がって……」
「あの……。」
「え……?」
「俺たちバカなんで、近くまで着いてきてくれませんか?」
「えっと…………」
それって、大丈夫なのか……?
この人たちちょっと不良っぽいんだけどな……。
「ダメ…………ッスかね……?」
どうせ志木に嫌がらせされてて暇だったし、良いかな。
ちょっとは反省しろ!
「じゃあ行きましょっか?」
私は地図を持って歩き出した。