ワガママ狼男と同居始めました。




ここを右で、前にアパートがあるはず……。


「あれ……。」


「どうしました?」


「いや……確かにこっちのはずなんですけど……。なんかちがくて……。」


「やっぱり地図書き間違えたんだよ、あいつ。」

「あいつバカだろ。」


二人はそう言って楽しそうに笑った。


「あの……。すいませんでした。役に立てなくて……。」


「………………。」



あれ……?


二人とも何も答えない。


まさか怒らせたとか……?


どうしよう……。


「あの……本当にすみません……。」


「いいよ……?」


その瞬間、片方の人が私の手首を強く掴んだ。



嘘……。

これヤバくない……?



「は、離してください!!」


「君結構可愛くない?化粧してないから一瞬わかんないけど。」



やだ……!


助けて、志木……!






< 183 / 243 >

この作品をシェア

pagetop