ワガママ狼男と同居始めました。
ここを右で、前にアパートがあるはず……。
「あれ……。」
「どうしました?」
「いや……確かにこっちのはずなんですけど……。なんかちがくて……。」
「やっぱり地図書き間違えたんだよ、あいつ。」
「あいつバカだろ。」
二人はそう言って楽しそうに笑った。
「あの……。すいませんでした。役に立てなくて……。」
「………………。」
あれ……?
二人とも何も答えない。
まさか怒らせたとか……?
どうしよう……。
「あの……本当にすみません……。」
「いいよ……?」
その瞬間、片方の人が私の手首を強く掴んだ。
嘘……。
これヤバくない……?
「は、離してください!!」
「君結構可愛くない?化粧してないから一瞬わかんないけど。」
やだ……!
助けて、志木……!