ワガママ狼男と同居始めました。
「本当はこの地図、俺たちが書いたんだ。」
「ちょっと俺らと遊ぼうよ。目的地の結構近くまできてたんだよ?」
手首を掴んでいない方の男子が指差す方には、壊れたビルがあった。
「いやだっ、離して!!」
必死に抵抗するも、私の手首から男子の手は離れなかった。
ここまで結構曲がってきたから、志木もここが分かるとは思えない。
どうすればいいの……?
「……っ誰か!!!!」
大声で叫ぶと、手首を掴んでいる手と逆の手で口を強く押さえられた。
「うるさくすると殴るよ?」
恐怖で涙が流れる。
怖い……。嫌だ……。
助けて……。
志木……!
「……なにしてんの……?」
その時、背後から聞き慣れた声が聞こえた。