ワガママ狼男と同居始めました。
「うわっ、何だ?お前。」
「バカ。この女と同じ学校の制服着てんだろ?彼氏かなんかじゃね?」
手を掴んでいる男子が、私の口を押さえていた手をどけた。
志木が鋭く男子をにらんでいる。
「うわっ、目つきわりーな……。
こんなんと付き合ってんの……?君。」
そう言うと、手を掴んでいる男子は私の髪に触れた。
嫌っ……!!
「……離せ。」
志木の言葉に、不良は手を止めた。
「何カッコつけてんだよ。
そんな細っこい体で俺らに勝てるわけないだろ?」
「……あんまり俺を怒らせるなよ……。」
「うわっ、超カッコつけ!!」
二人は声を揃えてゲラゲラ笑った。
やっぱり気のせいじゃない。
今日の志木、すごい体調悪そうだ……。
「……知ってるか……?今は昼だし、曇ってるけど」
「今日は満月なんだ。」