ワガママ狼男と同居始めました。
「はぁぁっ!?満月!!?」
次の瞬間、狼の鋭い爪が私の手首を掴んでいる男子の腕を引っ掻いた。
「いって!!!」
男子の手はすんなり私の手首から離れた。
志木を見ると、右手だけ狼になっていた。
あの夜見たのと同じ。
半分人間で半分狼の状態。
「なんだ、お前!!どうなってんだ、それ!」
私の手首を掴んでいた男子は地面に座り込み、腕から血を流して痛がっている。
志木がもう一人の男子に歩み寄る。
「……くっ、来るな……!」
爪を男子の首に立てて、言った。
「この事を他言してみろ。お前も、そこにいるバカも、殺してやる。」
男子はそれを聞くと、ヘナヘナと地面に座り込んだ。