ワガママ狼男と同居始めました。
「……お前バカだろ……。」
紅葉は俺の肩にもたれ掛かった。
「……志木は本当に細っこいね。
だから不良にナメられるんだよ!」
「んだと!?」
「……霧島くんの方が頼れる肩してた。
志木のは今にも崩れそう。」
「お前が重いからだろ!?」
「霧島くんは重くない、って言ってましたー!」
紅葉の髪からシャンプーの匂いが香り、慌ててそっぽを向いた。
これは結構危険な状況だな……。
「…………本気だからね……。」
「あ……?」
「さて!ご飯作るか!!」
紅葉は元気よく立ち上がり、キッチンへ向かった。
『……もしそういう人達が来たら、私も一緒に逃げてあげる……。』
「本気」……ねぇ……。