ワガママ狼男と同居始めました。
「佐々木とか、天然系だよな!」
あんなの作ってるに決まってんだろ?
「俺、岡田も可愛いと思う!明るいところとかいいし……。」
明るいって言うより、うるさいだ。
「藤間は……?」
霧島が紅葉の名前を出す。
こいつ紅葉にコクったもんな……。
「藤間は……あんまり目立たないよな。」
「でも化粧してないのに普通に可愛いよな。」
「俺、この間スーパーで食料品買ってるの見たぜ?」
「スーパー!?」
「なんか、主婦っぽくね!?」
「ただ黒髪おろしてるだけだし、昭和かよ!みたいな?」
なんだ、こいつら……!
全部外見の話じゃねぇか!
腹立つ……。
「いや、でもあの純粋な感じがさ!
絶対ファーストキスもまだだぜ!?」
ガタッッ
椅子を引くと、全員が驚いた顔で俺を見た。
「悪い……。便所行ってくる……。」
「おお。早く帰ってきてお前のタイプも聞かせろよ!」
「分かってるよ。」
そう言いながら、俺は教室を出た。