ワガママ狼男と同居始めました。
廊下の窓を開け、外の空気を吸う。
段々寒くなってきた。
新年には山に帰ろうか……。
あんなアホらしい会話に参加したくない。
今、俺があやかしだと言って、それでも俺をまっすぐ見てくれる人間が一体ここには何人いるんだ?
あんな恐ろしい目をした怪物を抱きしめてくれる人間が一体何人いるんだ?
あいつらは紅葉の心がどんなに綺麗か知らない。
見た目もそこら辺の女よりずっと可愛い。
触れれば、あいつがどんなに温かいか分かる。
まぁ、触れさせないけど。
窓を閉め、チャイムギリギリに教室に戻った。