ワガママ狼男と同居始めました。
「殴り返せばいい。」
「何言ってんのよ……。」
「なんなら俺の王子キャラだってやめたっていいぜ。ちょっとくらいファン減るだろ。」
「ダメだよ。志木はかっこよくて、頭よくて、運動できて、そんでもって王子様なんだから。
まだ3個も残ってる。」
「さすが俺。嫌われるのも一苦労だ。」
ムカついたので、毛布を引っ張った。
「うぅ、寒い……。暖房……。」
「ダーメ。」
まだ11月なのに、こんなに寒がって……。
本当に雪山にいた狼男か……?
「じゃあ、女子に殴られまくったら家事代わりにやってくれる?」
「………………。
そしたら俺がそいつら殴ってやる。」
「女の子殴ったら私が志木のこと殴るから。」
志木は大きくため息をつき、「わかった」と小さく呟いた。