ワガママ狼男と同居始めました。
「話って……何……?」
同居のことは言わない。
一度はうちに来てて、狼姿の志木を見てるわけだから……。
「あのね……」
手が震える。
吐きそう……。
「……私、小野寺くんと付き合ってるの。」
二人とも何も言わない。
何でお前なんか、って思ってる?
わざわざ言わない方がよかった?
「……す…………」
岡田ちゃんが口を開く。
「……すごい!!紅葉すごい!!」
「……え…………」
「……そうだよ!!あの小野寺くんと付き合うなんて!」
二人は心から喜んでくれているように見えた。
「……でも……岡田ちゃん、小野寺くんのことカッコいいって……。」
「フツーにカッコいいな、って思ってただけだよ!そもそも私、他校に彼氏いるし。」
「えっっっっ!!!」
奏とハモった。
朝のホームルームまで私達はずっと笑っていた。