ワガママ狼男と同居始めました。




「ただいま……。」



リビングに志木はいなかった。

また部屋で苦しんでるのかな……。


足音を殺して志木の部屋に近づく。


部屋からは特に物音は聞こえなかった。


「志木…………。今日アンタがいなかったからリンチされた。」


「………………。」


「……でも勝ってきたよ。志木が泣く、って言って。」



「……お前は、何言ってんだよ……。」



弱々しい声で志木が答えた。


「……エヘヘ…………」



「…怪我ないか……?」


「……ないよ。ありがとう……。」


「………………。」


「……ゆっくり休んで。おやすみ……。」



そう言って私は志木の部屋の前を離れた。








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