ワガママ狼男と同居始めました。




「ヤッホー、紅葉。」


「おはよう、岡田ちゃん。」


今日は岡田ちゃんと二人でカラオケの日。


奏は塾で来れなかったけど。



「いやー、二人で5時間はキツいかなぁ……。」


「岡田ちゃんは美しく歌うから、疲れないよー笑」


「まじか!!」



何曲か歌い、休憩していると、岡田ちゃんは歌うのを一時停止して私に聞いてきた。


「ねぇ、紅葉は小野寺くんの誕生日知ってるの?」


「いや……知らないけど……。」


「それがさ、明日とかいう噂が派手っ子たちの間で流れてるんだよ!」


「明日!?」


「そう!絶対なんかしてやんなよー?」


「そんなこと言ったって何すれば……。」


「サプライズケーキとか、プレゼントとか、キスとか!!?」


「その流れでキスってないだろ!」


「ねぇ、もうキスくらいしたの?」


「なーいしょ。」


リモコンで再生ボタンを押し、歌が再開する。

岡田ちゃんは舌を出してアカンベーをしたが、すぐに美しく歌い始めた。



誕生日……?

明日が志木の……?







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