ワガママ狼男と同居始めました。
霧島くん曰く、志木は体調悪くてどこかで休んでいるそうだった。
なんとなく場所は分かる。
とりあえず外に出た。
案の定森の近くの切り株の上に狼が座っていた。
今度は分かる。
「志木。」
志木が顔だけこっちを向く。
私が隣に座ると、前足の上に顎を乗っけて、気持ち良さそうに背中を上下させた。
「……手は大丈夫か?」
「ヘーキだよ。」
もう痛みは引いた。
私は志木の背中を撫でる。
やっぱりあったかい……。
おでこを志木の背中に乗っけ、首の周りに腕をまわす。
狼の志木にだからできること。
「ありがとう。」