ワガママ狼男と同居始めました。
次の日
「結局さぁ、紅葉の好きな人は分からなかったな~」
「だからいないって言ってんじゃん!」
「そんな女子いないって!!」
「岡田ちゃんだって本命はいないって言ってたじゃん……。」
「でも小野寺くんと付き合いたいもーん。」
軽々しく言わないでよ……。
志木にもきっと好きな人がいる。
志木のことを『本命』って言えないのに付き合いたいなんて……。
「紅葉……?」
「あ、ごめん……。」
キーンコーンカーンコーン……
ちょうどチャイムが鳴り、私達は席についた。
なんでこんなこと思うんだろう……。
「昼休み、屋上」
声に反応してバッと顔をあげると、志木が通りすぎ、匂いだけが残された。
『昼休み、屋上』
今まで感じたことがないくらい、頬が熱かった。