〜片想い〜
名前…聞けばよかった…
「ねぇ、奈々華?なんか考えてるみたいなんだけど、私の家、あそこだよ。」
あっ、美緒がいること忘れてた
「えー!そーなんだ!キレイなマンションだねっ!てか、すっごい新しいマンションじゃん!いいなぁー!」
美緒のマンションは、今月できたばかりのマンションだった。
「そーなんだ。今月、引っ越したばっかりなんだー。すごいキレイだよ?私の家、来る?」
えー。いいのかなぁ。
「うん!行きたーい!でも、いいの?親とかいるんじゃない?」
そうだ。
私の家は、お兄ちゃんは今日は学校で、お母さんは仕事だ。だから誰も家にはいない。
「うん!いるよ?でもいいよ!」
えー…
「いるんだったら、迷惑かけちゃうから、私の家おいでよ!私の家なら誰もいないよ!」
うん。それがいいよ。
「えっ!ほんとに誰もいないの?」
「いないよ!私の家で色々喋ろ?話したいことあるの。」
お父さんがいないことも全部言おう。
なんだか、美緒なら言えそうな気がする。
「それだったら…奈々華のお家にお邪魔しようかなっ?」
よしっ!
「私の家はあそこだよ〜」
「おぉー!キレイな家だねっ!」
「美緒の家には負けるよ」
私の家は築3年。
親が離婚したときに新しく建てた家。