今でもキミを。
美憂side
「美憂はやく!」
私を急かすのは、中学の時からの親友。
青山沙希(アオヤマサキ)
「もう、張り切りすぎ。」
「何言ってんの!高校生活が始まるんだよ!?」
沙希は、中学時代から高校生活に憧れていて
昨日までずっと浮かれていた。
私はといえば、浮かれる事もなく興味すらなかった。
「勉強面倒くさいな。」と溜息をつくばかりだった。
恋愛だってしたいとも思わないし。
した所で、すぐ別れるのは目に見えてるし。
高校生活に希望なんて持てなかった。
「これより、第23回入学式を―…」
それでも、ココロのどこかでは期待をしていて。
「…眠い…」
誰かと素敵な出逢いがないかなって。