もう…我慢できない
菜々香先輩はあたしの肩を掴む手の力を強めた。
「なに黙ってんの?なんか言えば?」
予想以上の迫力に正直ビビった。
でも、準斗への気持ちは本物だから。引き下がる気はない。
「あたしは準斗が好きなだけですから。桃香ちゃんに悪い事したとは思ってます。でも...先に準斗を手放したのは桃香ちゃんですよ?」
「はぁ!?」
あたしの言葉に菜々香先輩は更に怖い表情になった。
綺麗な顔が台無しってくらい、眉間にシワを寄せて歯を食いしばって目を見開いてる。
「桃香は...優しい子なんだよ。アンタみたいに気ぃ強くないから...何も出来なかったんだよ。そんな事も分かんないの!?」
「...好きだったら、本当に離したくないんだったら...どんな事しても諦めちゃいけないと思いますけど?自分から離れるなんてしちゃいけない。でも...桃香ちゃんは離れていった。気が強いとか弱いとか...そんなん関係ない。想いが強いかどうかだと思うから...」