もう…我慢できない





あたしは階段から落ちた。








誰かに背中を押されて。













「んっ...」






目が覚めるとミンナがいた。




杏奈、ハル、準斗。




「あ!目ぇ覚ました!くるみ!くるみ!!」





「みんな...あたし...?」

「ここ病院だよ!すぐ救急車呼んで運ばれたんだよ」



あ、そっか。



「誰かに押されたんだろ?目撃者がいた。覚えてる?」



「誰かに押されたの覚えてる。足滑らせたとかじゃない。絶対押された。それはハッキリ覚えてる」



「もうここまで来たら犯罪だよ...許せない!」



「ごめんな、くるみ!俺...守ってやれなくて...」



準斗...そんな悲しい顔しないで。




「大丈夫だよ。あたし強いから。ホラッ...いてててっ」

「起きあがっちゃダメ!」


杏奈に押さえられてマタ元の位置に戻った。



「体うってるから安静にしとかないと。骨とかは異常ないけど頭を強く打ってるからって」




「そっか。...また心配かけちゃった。ごめんね?」





「もぉ!!!くるみのバカ...バカバカ!」



「杏奈?」



泣いてるの?



両手で顔を覆っててよく見えないけど...




「こんな時に...なんで謝ってんの?ほんとバカ...」



「今、俺のダチが犯人捜してっから。絶対見つけてボコボコにしてやるよ。女だろうと容赦しねぇ」



ハル.....




「ハル、ありがとう。でもね、それはダメだよ。ボコボコしなくていい」


「はっ!?」



「あたしが話つける。そうしないと気が済まない。だからハルは手ださなくていいの。その代わり絶対犯人見つけてスグ知らせてね?」



「お、おう。任せろ!」






これはあたしの問題。


ここまでされたら黙ってられない。
< 133 / 202 >

この作品をシェア

pagetop