もう…我慢できない
「だって...ムカつくんだもん」
「は!?」
「可愛くて何でも出来て!何でも持ってて!人気者だし...おまけに準斗君まで手に入れるなんて!しかも奪ってまで!」
呆れて言葉が出なかった。
その人は話し続けた。
「あたしは...ずっと準斗君が好きなの。でも、彼女がいるから我慢してた。でも...まさかこんな簡単に奪う人が出てくるなんて。しかも平然としてるし。ムカついて....気づいたら手が動いて...」
やっぱり準斗を好きなんだ。
「あたしが死んでたらどうしてたの?」
「....っっごめん...なさい」
あっさり謝って泣き出した。
「こうやって桃香ちゃんにも酷い事したの?」
「あの人には何もしてない。あなたにも突き落とす以外はしてない。イジメは他のいろんな人がしてる。本当に偶然昨日あそこであなたを見かけて...友達と楽しそうに話してるの見て怒りがこみ上げてきて手を出してた」
その人は体が震えてた。
泣いてるのもあるけど、自分のした事に驚いて...自分が怖くて震えてるんじゃないかって思った。そんな気がした。
「もう...こんな事は絶対しないで下さい。今度は許さない」
それだけ言ってあたしはその場を去った。