もう…我慢できない
言えた。
ちゃんと言えた。
「なに言ってんの?くるみ...やっぱりイジメが辛いんか?」
「違う...」
「じゃぁ、なんで...」
「準斗は桃香ちゃんと一緒にいるべきだよ」
あたしの言葉に準斗は目を見開いて驚いてた。
「くるみ...今更そんな事いうのかよ?俺の彼女は...くるみだよ?」
「でも、まだ一度も好きって言葉聞いてないよ?」
「それは...」
「そういう事でしょ?準斗は本当は桃香ちゃんが好きなんだよ。あたし、分かるの」
「何が分かるんだよ」
「準斗...この前ね、準斗ね、寝言で桃香ちゃんの名前呟いてた」
「夢見てただけだろ」
「ごめんって何回も謝ってた。そして最後に...好きって言ってた」
「だからそれはただの夢で!」
「違うよ!!準斗の本心だよ!準斗...桃香ちゃんを一生守るって決めたんじゃないの?あの...ヤケドの跡を見た時に決めたんじゃない?」
「ハルのバカだな...」
「そうだよ。桃香ちゃんの傷の話聞いた時に思ったの。準斗は自分を責めたんだろうなって。そして、桃香ちゃんへの愛を再確認して一生守るって誓ったんじゃないかなって」
「俺はそんな事言ってないぞ」
準斗があたしを抱きしめようとした。
あたしはその手を払いのけた。
「言わなくても分かるんだよ?」