もう…我慢できない




「準斗...あたし、大丈夫だよ?準斗の彼女になれて嬉しかった。少しでも想いが叶って幸せだった。一時の気の迷いでも...それで責任とって彼女にしてくれたとしても...嬉しかった」


「くるみ!違う!!」


「準斗...桃香ちゃんはね、こんなに酷いイジメに耐えて...どんなに辛くても準斗を好きで傍にいたんだよ?強いと思わない?誰を敵に回しても準斗を愛してた。そして、あたしがケガして、心配して来てくれたの。彼氏を盗った女を心配してくれたんだよ?あたしは桃香ちゃんには勝てない」




準斗は俯いて何も言わなかった。





「準斗...分かってるでしょ?準斗の隣に並ぶのは、あたしじゃない」


「でも!」



「早く行ってよ!もう悩みたくないの...自分の気持ちに嘘ついてる準斗と一緒にいたって...幸せじゃないの!!!」



「くるみ...」



「桃香ちゃん、待ってるよ。早く行って。まだ間に合うから。桃香ちゃん、独りぼっちで待ってるから...桃香ちゃんには準斗しかいないから!」






「...くるみ。これだけは言わせて。俺....くるみのこと好きだったよ。でも、簡単に口に出したらイケない気がして...そのまま言えずにいた。でも、本当に好きだった。信じてくれる?」




「うん」



あたしは頑張って笑った。
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