もう…我慢できない
教室に戻ると杏奈は自分の席で一人で居た。
腕組みをして怖い顔で座ってた。
その雰囲気に誰も近付けないみたいで周りに誰一人いなかった。
「おい!杏奈戻ってきてからずっとあぁだぞ?どうしたのお前ら」
ハルが恐る恐るあたしに聞いてきた。
「お前らただでさえ怖がられてんだからさぁ。更にあんなオーラ出したらマジ怖いって!」
準斗が困った顔で言った。
準斗とハルによると、あたしと杏奈は目立つ存在で何か近寄りがたい雰囲気があるらしい...
仲良い子達は普通に話すんだけどね?仲良くない人は目も合わせてくれなかったりする。
目が合っただけでビクッとして逃げて行かれた事もある...
別に何もしないっつぅのぉ!!
「ちょっと喧嘩しちゃったぁ....」
苦笑いで準斗を見た。
「大丈夫か?お前まじ変だしよぉ...杏奈まで変になったらどうしようも無いよ?俺に出来る事なんかある?」
心配そうな顔で言ってくる準斗.....
「大丈夫!!2人の問題だもんっ。ちゃんと杏奈と話し合うから」
あたしは頑張って笑って明るく言った。
「仲良い程ケンカするしな!!くるみと杏奈よく喧嘩してるもんな!大丈夫だよなっ」
ハルが頭をポンってしてあたしの傍を通り過ぎる時、
「次の休み時間渡り廊下に来い。話がある」
あたし以外誰にも聞こえない小声でそう言って自分の教室に戻っていった。
「ハル..?」
訳が分からず離れていくハルの背中を見つめたまま呆然としていた。