もう…我慢できない
暫く沈黙が続いた。
「片想いって切ないよなぁ....」
ハルが静かに言った。
「ハル.....片想いしてるの?」
「.....まぁな」
ハルはフって笑って俯いた。
「えっ誰?誰?あたしの知ってる人!?」
「秘密だよー」
「えーっ!!あたしの好きな人は知ってるくせにぃ!ずるいぃー」
あたしは足をジタバタさせてブーブー文句を言った。
「俺は教えて貰ったんじゃなくて見てて分かったんだもん。悔しいならくるみも当ててみろよー。絶対わかんねぇだろうけどなぁ」
ニヤッて笑ってハルは立ち上がった。
「なにそれぇ....」
あたしはマダ膨れっ面で拗ねてた。
「お前モテるのになぁ。なんでよりによって彼女持ち好きになんだよなっ」
はっ?
「あたしがモテる?」
耳を疑うような言葉にあたしは真顔になった。
「おぅ。くるみと杏奈モテモテよ?うちのクラスでもくるみ派と杏奈派に別れてたりするし。やっぱ自覚無しかぁ」
「はぁぁ!?ってかモテモテなのは桃香ちゃんじゃないの!?」
あたしは可愛いっていったら桃香ちゃんしか思い浮かばなくなってた。他にも可愛い人いっぱいいるのにね。
「桃香ちゃんねぇ...確かにすげぇ可愛いけど。なんかとっつきにくいんだよなぁ。それに彼氏もちだし?更に相手は準斗だしミンナあんまり興味無いっぽいよ?好きな奴は好きだけどな」
そうなんだ....
男ってよく分かんないな。あんなに可愛いのに興味無いとか有り得なくない?
準斗が彼氏ってのが原因だろうけどねぇ。
あんなカッコイイ人がライバルになるとか絶対勝てないもんね!!
「おぃ。くるみ?なにブツブツ言ってんの?」
「えっ!あ...」
あたしは1人で色々考えてハルの存在を忘れてた。