もう…我慢できない
「なぁ....?なに怒ってんの?」
今は授業中。
隣の席の準斗はさっきからしつこく聞いてくる。
暫く隣の席にはならなかったけど一週間前の席替えでマタ隣になれたんだ。
嬉しくて毎日幸せだった。
でも今は嬉しくない。
本当は嬉しいけど...
苦しい....。
準斗は無視して無言でそっぽを向いてるあたし。
「おぃって!!」
今まで小声だった準斗が急に大声を出した。
さすがの準斗も痺れを切らしたのだろう。
ビックリしたぁ...
勿論、驚いたのはあたしだけじゃなく、ミンナの視線が準斗に向けられた。
「なんだ?高岡。質問か?それとも...授業に関係無い事じゃないよなぁ?」
数学の大島先生がキッと準斗を睨んだ。
「やっべ...な、何でも無いッスよ♪大島先生っ♪」
「そんな可愛く言っても無駄だぞぉ。いくらお前が綺麗な顔してるからって俺はソッチの趣味は無いからなぁ」
「へっ!?」
大島先生の冗談に教室中がドッと笑いに包まれた。
そして残りの時間ずっと準斗は当てられまくりで必死に問題を問いてた。
お陰で質問攻めをくらわなくて良かったから助かった。
ナイス大島先生。
密かに心の中でお礼を言ってみた。