もう…我慢できない




長い沈黙の後、



準斗が口を開いた。







「なんで...無視した?」



「えっ...」




気付くと準斗があたしを見つめてた。




切ない表情で...





そんな顔されたって....


言えないよ。




嫉妬したからだなんて。



あたしは目をそらした。


「き、聞こえなかったんだよ...」




今にも消え入りそうな声で嘘ついた。







「嘘いうな」



「嘘じゃ...ないもん」







だんだんと視界が歪んで涙が溢れ出た。



準斗にバレないように俯いて必死に堪えようとした。




でも肩の震えが止まらない。





「くるみ?どうした?こっち向けよ」




準斗の声にあたしは首を横に振った。



すると準斗はあたしの前に向かい合わせに座った。



手は繋がれたまま...




やめて...。




もぅ



「やだ!!やだやだ...っ」


「くるみ!」



必死に抵抗したけど準斗の力には適うはずが無くあたしの顔は準斗の片手で前に向けられた。





涙でグシャグシャなこんな顔....見られたくないよ。





「くるみっ...」








えっ????
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