もう…我慢できない
『今から出てこれる?くるみの家の近くまで来てるんだけど』
『えっ!近くまで来てるの!?すぐ行くよ!今どこらへん?』
あたしは部屋を飛び出して玄関に向かった。
ドアを開けようとした時
『待った!!』
準斗の声でピタッと足を止めた。
『夜に女1人で歩いちゃダメっしょ。家の前まで行くから待ってろ。もうすぐ着くからさ』
もう.....。
優しいなあ。
『分かった。ごめんね。ありがと』
『なんで謝る?ありがとうだけでいいっつぅの!』
『ありがとう...』
『よしっ!.....あっ。くるみん家見えてきた』
『あっじゃぁ玄関の前に出とくね!!』
お気に入りのパンプスを履いてドアを開けた。
『おっ。くるみ見ぃーっけ♪』
目の前の準斗を見て
気付いたら走り出してた。
飛びつくように準斗に抱きついた。
「おっ!?よしよし。そんなに俺に会いたかったか?なんてね。俺自惚れすぎだな」
「会いたかったよぉぅ...」
珍しく素直なあたし。
もうこの気持ち止められないよ?
「泣き虫」
そう言って準斗の腕があたしの体を包み込んだ。