もう…我慢できない
「くるみ、今幸せ?」
そんな言葉をかけてくるのは杏奈。
あたしは杏奈には隠しきれず全てを話している。
杏奈が知ってるって準斗にも伝えた。複雑な顔をしていたけれど納得してくれた。
「幸せだよ?」
あたしは目を細めて微笑んだ。
「そぅ.....。くるみが苦しそうに見えるのはあたしだけかな?」
杏奈が切なそうに言うからあたしは胸がズキッてしたんだ。
あたしは幸せなんだよ?好きな人が近くにいるから...。人を傷付けてるけど。
幸せなんだよ....
幸せなのに....杏奈に言い返す言葉が出て来なかったのは何故だろう。
「くるみ。無理しないでよ?確かにあたしも最初はヤっちゃえって言ったけど...まさかズルズルこんな関係で準斗が二股かけるとは思ってなかったからさ...正直ビックリなんだよ」
杏奈。心配してくれてるって分かってるよ。
ありがとう。
でももう止められない。
「止められないんだよ....」
泣いてるのを誰にも気付かれないように机に突っ伏した。
「くるみ。ごめん」
杏奈が謝る事では無いのに。
あたしは必死に首を横に振った。
もう、止められない。
例え、
好きと言って貰えなくても。