もう…我慢できない
「ハル!声デカいよ...」
杏奈....なんでそんな弱い声なの?いつものハルに対しての威勢のいい声じゃなかった。
なんか変だ。
「杏奈は黙ってて。来い、くるみ」
ハルは無理矢理あたしの腕を引っ張って立たせた。
ハルの力に適うはずが無くあたしは立ち上がった。
顔を見られないように俯いたまま。
この状況に当然、教室中のみんなが注目。
あたしはハルに引っ張られて歩いていく。
「ったく...」
ハルの溜め息が聞こえた。
教室を出ようとした時
誰かに腕を掴まれて立ち止まってしまった。
俯いたままのあたしは誰だか確認できない。
でも、わかった。
この手から伝わる温もりは.......