未来からの贈り物
息が戻るまで店内には入らずに外の自販機でジュースを買った。


自販機からジュースを取り出し振り返ると…

目に飛び込んできたのは…



『志穂さん』…。



あまりの驚きにジュースを吹き出してしまった。


そんな僕を見た彼女は口を手で押さえ可愛く笑っている。


「そこでずっと見ていましたよ。」


そう言って彼女は店の入り口を指さした。


…つまり一部始終を見られていたことになる。


…『見られたくない姿』を『隠そうとしている姿』を…


「もうみなさんはカラオケ始めていますよ。」


苦笑いするしかなかった僕の手をとり、彼女は店の中へ招き入れる。

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